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「大丈夫だって、クーヘンの時も大丈夫だったんだろ?」

「それはそうだけどさーーーー!!!」

島の船着場の近くで、新年早々俺の絶叫が響き渡る。
エーデルランドで行われるっていう着物ファッションショーとやらに(賞品目当てで)参加を決めたはいいが…

エーデルランドには、船に乗らないと行けない。

そして俺は、船が大の苦手だ。

かれこれ暫く俺とカケホとの押し問答が続いた。

「早くしないとファッションショーの時間に間に合わないよ」

「無理無理、やっぱ無理!俺いくのやめる」

賞品のお菓子は確かに魅力的だけど…俺はまだ命が惜しい!
第一、クーヘンのときだって半ばミリに脅されて連れて行かれたようなもんだし!

「ちょ!チャリ!!」
「無理なもんは無理!!!!」

とにかく無理無理無理無理ィ!!!

「ザザのニューイヤーカーニバルにはガレット・デ・ロワが振舞われるって
聞いたな・・・・すごいおいしんだろうけど、残念だねチャリ。」

「う・・・・・・・・・。」

ちょ、そんな話聞いてない…!
カケホの話に決意が揺らぐ。

「じゃあオレは行くね。」 


「待った!!・・・・・・行くよ!!!」

船に乗り込もうとするカケホを呼び止め、俺も彼に続く。
…今思い出しても、この判断が賢明か否かは分からないけど。

=====

船の縁に捕まり、必死になって目を閉じる。
…こんなに沢山人が乗ってるんだ、いつ沈むか分かったもんじゃない。

「袖ならつかんでも平気だよ?」

こっちに来たカケホがそっと声をかけてくれた。
お言葉に甘えて、直接触れないように慎重に袖を掴ませて貰った。
知っている誰かと一緒と言うだけでも少しは安心できる。

「どうしてこんなに恐ろしいものにそんな真顔で乗れるんだよお前」

俺がそういうと、カケホは少しだけ笑ったようだった。
…だからなんでこんなものに乗っておきながらなお笑う余裕があるんだよ…

=====

「大丈夫か?チャリ」

「お、おう」

エーデルラントに到着し、船から下りる。
あぁ…まだ頭がふらふらする…コレさえなければ、気軽にエーデルラントに行けるのになぁ…
とりあえず、ファッションショーまでは時間があるようなので、俺とカケホは別行動をすることにした。
俺の目当てはもちろん、広場で配られているお菓子、ガレット・デ・ロワ!
一口食べたとたん、旅の苦しみも吹き飛ぶようであった。

帰るときには、エーデルラントのお菓子をたんまり買い込んでおかないとな…!

=====

ファッションショーの会場に入り、着物に着替え順番を待つ。
鏡の前に立ち、舞の型の最終確認。着物にも乱れはない。うん。

舞台の端から、鮮やかな着物に身を包んだカケホを見やる。
黄金郷に滞在していたことがあるだけあって、着物の着こなしもとても決まっている。
なにより、その艶やかな美しさに目を奪われた。

ファッションショーは進み、次は俺の番だ。
しかし…俺の前に出ていたあの子、ガチガチに上がっちゃってたなぁ…なんだか可愛そうだ。
舞台の袖に引っ込んだその子の背中をポンと叩き、入れ違いに舞台に上がる。

くるりと回り、着物を見せつけた後、ひとつ深呼吸をし、精神を集中させる。
一瞬静まった会場。張り詰めた空気。それを手にした剣で切り裂く、それが舞踏の始まる合図。
竜の気と炎の気をまとい、無心に舞う。
靡く袖が、動きを演出する。

舞を舞っている間は、身体も心も、軽くなったような。そんな感覚を、恍惚感を覚える。

一通りの舞いを終え、改めて客席に向き直る。
お客さんから、拍手が送られた。とても、すがすがしい気分だ。


結局一番の賞は取れなかったけれど、どの人も素敵な着物姿だったから納得だ。
…俺も着物美人にはまだまだ遠いなってことだな。


それにしても…帰りもまた船に乗らないといけないんだよなぁ…あぁ、参ったなぁ。

(筆者より:カケホ君を盛大にお借りしました。トモさんの記事に便乗する形になりましたが…
踊りの描写が当初構想していたものと微妙に違ってアレー?となりました、はい。文章書けません^q^)
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